随筆

東忠の坂をのぼって(その三)

東忠 小千谷 ランチ
 東忠はその昔、男性のお客様しか入ることが出来なかったのだとか…。二百八十年という長い歴史の中の、いつ頃のことなのかは分かりませんが、そんな時代もあったようです…。
 しかし、今は違います。少なくとも昼の席について言えば、圧倒的に女性のお客様の方が多いのです。お友達が集まってご飯を食べたり(本当に楽しそう!)、おしゃべりに花を咲かせたり(しかも盛大に!)、食後のコーヒーやケーキを楽しんだり(甘いものは別腹!)。そう、今の東忠は女子会の場になっているのです(♪)。
 先日も女性のお客様が集まって、昼の席を楽しんでいらした時のこと。私くしがお部屋までご挨拶に伺ったら、「私達は年に何度か、こんなふうに集まることにしているの」とのことでした。そのご様子はとっても和やかで、ほのぼのとした感じ…。また別の日、小千谷縮をお召しになった女性達が六十余名も集まった時のこと。夕方から宴会が始まって、二次会が終わったのは夜の九時過ぎ…。そのご様子はとってもパワフルで、東忠の建物が揺れるかと思いました(冗談ですヨ!)。

*この随筆は、小千谷新聞の2024年7月13日号に掲載されたものです。