随筆

東忠の坂をのぼって(その一)

東忠 小千谷
 言葉の中には、時代の流れとともに、その意味や使われ方が変わるものがあります。たとえば「敷居が高い」という言葉。もともとは「相手に義理を欠くようなことをしてしまい、その人のところへ行きにくい」という意味だそうですが、現在は「高級すぎたり、上品すぎたりして、入りにくい」という意味で使う人が多いとの調査結果があります(文化庁国語に関する世論調査)。なお、私くしが小千谷の町を回っていると「東忠さんは敷居が高くて…」なんて言われることがよくありますが、まさにこれがそれです。
 しかし、東忠も時代の流れとともに変わっています。現在は「高級すぎたり、上品すぎたりして、入りにくい」ということはありません。東忠は、小千谷に暮らす皆さまにとって、より身近な存在でありたいと思っています。慶事や法事など、人生の節目の日に少しだけ贅沢な気分を味わっていただくことができる、そんな場所でありたいと願っています。これからは敷居を低くする一方で、おもてなしの質は高くしたいと思いますので、是非、東忠にお出かけください。皆さまのお越しをお待ちしておりますね。

*この随筆は、小千谷新聞の2024年5月18日号に掲載されたものです。